エンリコ・ボッテリ (Enrico Bottelli)

エンリコ・ボッテリさんは、ミラノから電車で南へ40分ほどはなれた田舎町Voghelaに工房(Luthier)を構える弦楽器作家です。 以前は、郊外の自宅を仕事場にされていましたが、現在は街中に工房を構えられています。まずは、Voghelaの町を紹介致しましょう。
Voghelaは人口4万人弱の小さな街で、30分もあれば主要な場所は徒歩で回れます。城跡やドーム等の中世の建造物が美しい町です。

次にボッテリさんの工房を紹介しましょう。

多くの若手作家が師事したことのある名匠ですが、寡作家でなかなか手に入りません。ジュリアン・ブリームが彼の作品を高く評価したことで、大変有名になりました。ここに、ブリームのメッセージを紹介致します。

It is a debatable virtue to search for greater volume of sound at the expense of sound quality. The guitar has won the hearts of its many admirers through its unique ability to evoke a musical ambience which is both magical and intensely personal. It is the character and quality of its musical voice that touches the heart strings.

より大きな音を求めて、音の質を犠牲にするとこが果たして美徳なのか疑問が残るところだ。ギターは、それぞれの持つ不思議で強烈な個性で独特の音楽の雰囲気を醸し出し、多くの聴衆を魅了している。その音色は心の琴線に触れる独特の個性と質から作られる。

彼の作るハウザーモデルは(Hauser)は、ハウザーの特徴である重厚な低音を再現してはいるのですが、それらを中高音域の倍音との共鳴に利用しているという方が正しいでしょう。 従って、低音よりもむしろ中高音域のしっかりとしたバランスの良い音が特徴です。とくに3弦から4弦に移動する時など、そのつながりが大変スムーズで移動を感じさせません。 彼は1980年代までの大変良質なヨーロッパの松材(European Spruce)をストックしており、それを表面版に使用しています。 サイドとバックはハカランダ(Jacaranda)かインデアンローズウッド(Indean Rosewood)を利用しますが、ハカランダは、1992年のワシントン条約で伐採やその後の移動が困難になって、特別な場合以外は推奨していないようです。 どうも名称ばかりが一人歩きし、実際の品質に似合うのか疑問らしいです。その点、インデイアンローズウッドは量も十分あるので、そのなかから最高品質のものが選べ、実質的に大変素晴らしい仕上がりになっています。

2014年ハウザーモデル(新古品)

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