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朴葵姫 三度

 兵芸小ホールで、三度目の朴葵姫リサイタルを聞きました。前回は台風の最中だったこともあり、何となくそわそわした感があり、あまり高い評価はできませんでした。
 さて、今回はソルとバッハの曲目があり、新たな楽しみを持って聴きに行きました。確かなテクニックと美しい音はいつも通りの期待がありましたが、ソルのような古典の安定感やバッハのような敬虔さ、それに両者に通じる構築美のようなものをどこまで表現してもらえるか、そのあたりの進化を楽しみにしていました。
 さて、舞台に現れた朴葵姫さんは、大変リラックスで穏やかな表情に見え、演奏が始まると、気負うこと無く気持ちよく演奏しているように見受けました。このホールはギター独奏者にとっては本当に気持ち良いホールなんでしょう。魔笛は以前にも聴いたことがありますが、その時以上に自然な流れで大げさにならず朴葵姫さんらしい曲に仕上がっていました。シャコンヌもその傾向は同じなのですが、より構築美を意識した安定感のある演奏を目指しているように思えました。今後はさらに重心の低い、密度の濃いバッハを目指して活躍されることと思います。また、聴きにいこうと思います。